「そもそも教員になる人たちは、学校に良い想い出しかないリア充だ」
という言葉を幾度となく聞いてきた。だから悩んでいる人間の気持ちが分からないのだと。
そう言われたり聞いたりすると、「え!本当なの!?」と聞き返したくなる。実際、教員になった人たちで生徒時代が充実していたと答える人はどの割合いるのだろう。
社会人になってからの方が圧倒的に楽しいと思っているのは僕だけか?
学校に通っていた時ってすごく中途半端な気持ちだった。自分が何か問題を起こすと責任が自分だけではないどこかに飛び火する。親だったり担任だったり学校だったり。だから、やりづらさを感じていたんじゃないかと今思う。自分で決めたと思えることが少ないんだ。
自分で決めたことは、例え失敗したとしても人に「○○しなさい」とか「○○したほうがあなたのためよ」と言われてやったことより後悔が少ないと思う。自分の選択で生きていく。これがカッコイイ大人の姿だ。
今日、こんなことがあった。
来たるオープンキャンパスに向けて、消毒やマスクなどを呼びかけるポスターを作るのにイラストを描いて欲しいとOC担当の教員に頼まれた。本来ならば「簡単にイラスト何点か描けだって!?バーロー!!」と見た目は子供、頭脳は大人よろしく適当にあしらう所だが、その担当教員が「シャカリキ君でもいいから」と言うのでやることにした。
シャカリキ君とは、丹野が考えた学校非公式キャラクターのことでこんな見た目をしている。

悟りを開いた時の様子を描いた最高にクールなキャラクターだ。「釈迦」と「しゃかりき」がかかっているネーミングセンスも光る。しかしどうしたことか、彼はもう非公式キャラクターに6年も甘んじている。こんなにかわいいのに…。数々の企画を立てたが、散っていった今までのシャカリキ君。
使いたいお寺関係者がいたら声をかけて欲しい。シャカリキ君はすぐに馳せ参じます。
そんなシャカリキ君がついにオープンキャンパスで日の目を見れる可能性が出てきたので、これはやるしかない!と気合を入れてイラストを描いたのだった。無茶なスケジューリングだってシャカリキ君のため…!と頑張って下描きを描いて送った。

最高に使い勝手の良いカットが出来てしまった…。と悦に浸った。どっぷり。どんぶらこ。
そうしてどんぶらしていたら、担当教員から連絡が。
「髪の毛別のにしてください」
は?
「会議で決まったんですが、髪の毛を別のにしてください。あとカラーにしてください」
またしても、上からの圧力…!!!誰かがシャカリキ君のサクセスロードを邪魔している。
てゆーか、髪の毛別のにしたらもうシャカリキ君じゃねーじゃんよっ!!それはもう別の誰かだろっ!
そう憤ってみても誰も助けてはくれない。溢れる涙を拭いながら僕は描いた。

一個だけ紛れ込ませれば、バレないんじゃないかと思いながら…。
カラーにしてみれば、関口メンディーみたいにも見えるじゃん…と。
なんとかごましてもらいながら、ポスターにしてもらおう。一個ぐらい大丈夫。上の人たちだってきっとじっくり見ないから。その願いを込めて、担当教員にメールを送った。
ピロリン!
さっき送ったメールが自分に届いた音だ。なんだ、間違って自分に送っちゃったかー!
はははは!

は…は…

自分で決めたことは、例え失敗したとしても人に「○○しなさい」とか「○○したほうがあなたのためよ」と言われてやったことより後悔が少ない。
そんなことを言えるほど、カッコイイ大人にはまだまだなれそうもない。
